アガイ研ブログ

Agai(堕武者+ultraviolence+)の個人ブログです。主に将棋、音楽、プロレス、レトロゲームについて書きます。将棋界では練習対局のために集まることを「〇〇研」と称することが多いことから、タイトルに名付けました。

ADHDが札幌へDJしに一人で旅行してみた【事前準備編】

ADHDにとって、旅行は苦手の最たるもの

いきなりプライベートな話から入りますが、私はいわゆるADHD(多動性注意欠陥障害)です。2009年に大学病院での検査で認定され、2019年に別の病院で再認定されました。当節流行の「大人の発達障害」というやつです。

症状としては「整理整頓が苦手」「無駄な買い物が多い(モノの価値を正確に計れない)」「地図が読めない(空間認識が苦手)」「短期的な記憶が苦手」「スケジュールを立てるのが苦手」「忘れ物が多い」「外部からの刺激に弱い(集中力を阻害される)」「初めての場所で不安が大きくなる」「暗黙の了解を理解できない」などなどです。

こういう人物が特に苦手とすることの一つに「旅行」があります。多人数での旅なら同行者の力を借りることもできますが(実際、今回の旅では現地で合流したTifaraに大変お世話になりました)「一人で」「大きな荷物を抱えて」「長距離移動」となると

・行き先を間違える(公共交通機関の乗り間違えなど)

・忘れ物をする(パッキング漏れ、移動中の置き忘れ、ホテルへの置き忘れ)

・外部からの刺激で中長期的な目的を忘れる(食事管理中なのに美味しいものに目移りする、DJが目的なのに過度の観光をしようとする)

など、様々なリスクに身を晒しながら進んでいくことになります。

もう十数年も行き慣れている同人イベント(コミケ例大祭、M3)でも、毎回自宅で大騒ぎしながらスーツケースに荷物を詰めている自分です。況や初めての地においてをや。

羽田へ向かう途中、品川から京急に乗る。このホームから出る電車に乗れば確実に羽田空港には着くのだが、間違って遅い電車に乗ったりしないよう緊張が続く。

そんな私の遠征準備はどうだったのか

今年の1月には主催のそーげつせー様からオファーを頂戴していた今回の札幌遠征。

準備を今にして振り返ってみますと下記のようになります。

 

・航空券とホテル

4月初旬に予約。これは早かった。楽天トラベルで羽田-新千歳空港の往復とすすきののアパホテル3泊で6万円。ちゃんと他社と比較したわけではないのですが、夏休み直前の3連休でこの価格はかなり安いのではないかと。なお、宿と航空券をセットにするとアパホテルのポイントが付かないのですが、その分楽天ポイントが付くので特に問題はないように思いました。

・空港への移動手段

羽田空港までの行き方は楽観していました。というのも、リムジンバスの駅が私が住んでいるエリアにはいくつかあるのです。荷物で一杯のスーツケースにリュックを抱えて電車に乗るのは厳しいので(イベントの時は自分でもよくやっていると思います…)バス一択だと思っていました。

とはいえ利用するのは初めてだったので、乗り方については出発1週間前に一応調査。特に予約制度はなく、市街地を走る普通のバスのように乗り込めばいいだけで、Suicaも使えるとのこと。念のためではありますが、途中駅から乗ろうとして満員で弾かれることが万一にもないように、始発駅から乗ることに。

ここまではよい準備だったのですが、いざ当日バス停の駅まで行ってみると予想外の事態が発生。詳しくは後の編で。

・空港までの移動手段

ここに最初の落とし穴がありました。旅行直前に知ったのですが、新千歳空港にあまり遅く着きすぎると、札幌行きの電車もバスも終わっているんですね。思考のバイアスとは恐ろしいもので、当然札幌行きまでの公共交通機関移動は、どの飛行機に乗っても担保されているものだと思っていました。調べてみると、タクシーで札幌駅まで行く場合、深夜料金に高速料金などを足して12,000円ほど。バス移動の10倍以上です。だから航空券が安かったのか……想定外の事態に蒼くなりました。

この時点で旅行出発の3日前。余裕がない中、大変ありがたかったのがTwitterでの皆様のアドバイスでした。

「空港併設の宿泊施設がある」「安価で乗れる乗合タクシーがある」など、様々な情報をいただくことができました。

結局「nearMe」という、乗合タクシーを予約することに。

nearme.jp

アプリをDLしてみると、早速「空港から宿まで」という選択肢が出てくるので便利。

日付入力における微妙なクセに気付かず、最初は1日後の予約を取ってしまいましたが(しかも本当に間違っているのかいまいち判然としない)チャットで問い合わせると時間をおかずに回答が返ってきたので、すぐ取り消して正しい予約をすることができました。

基本的には使いやすいシステムで、かつ料金も安いのですが(新千歳空港から札幌駅まで4,000円でした)仮予約から本予約への移行確認(ここで配車不可の回答が来ることもある)までに7~8時間程度を要したのが、唯一使いにくかった点かもしれません。

とはいえ、23:45に空港に到着した後、0時過ぎにはタクシーが迎えにきてくれて、移動を開始できたので、文句は全くありません。

ただまあ、準備が十分だったか、といえば不十分でしたね。今回の事で認識には入ったので、北海道以外に飛行機で行く際にも、空港から宿までの移動については念頭に入れておかねばと思いました。

羽田空港蕎麦屋で食べた、天とじ蕎麦。大きな海老が二本で豪華ですが、蕎麦の量は少なく、いまの自分にはちょうど良かったです。

・荷物のパッキング

ADHDにとって、旅行準備において最も憂鬱な作業と言えるかもしれない、荷物の準備。自分の部屋も片付けられない人が、スーツケースやリュックの中身を綺麗にまとめられる訳がありません。

「余計な荷物が多い」「必要なものが入っていない」「詰め方が悪く何がどこにあるか分からない」「必要なものがすぐに取り出せない」ということになります。

またその苦手意識が、ADHDの特徴である先送り傾向を発揮せしめることになります。

今回は直前まで本番で使用する動画編集に追われていたこともありますが、パッキングを開始したのは金曜日、出発当日の深夜1時でした。これでも早いほうかもしれません。

一応、荷物の準備に際して、ここ数年はチェックリストを作成しています。致命傷に近い忘れ物を何度もする中で(ライブで使う機材のACアダプターなど、何度忘れて会場から自宅まで取りに帰った事か!)、嫌々ながら必然的に身についてきた習慣です。

今回のリストはこんな感じ。

【身に着ける】
 □財布 □スマホ

【リュックの中】
 □ノートPC □ACアダプター □USBメモリ(※) □USBコントローラー(※)
 □イヤホン □薬袋(3日分)□モバイルバッテリー □給電ケーブル
 □筆記用具 □A5ノート □汗拭きタオル2枚 □CDキャリーケース(曲リスト入り)
 □マスク予備 □紙書類(楽天トラベル、飛行機チェックイン用)

 □サコッシュHDMIケーブル、ステレオケーブル入り)

(※)私はCDJを使うので、USBメモリはパワーポイントのデータのバックアップ用、USBコントローラーはPCDJのことではなくて、パワーポイントのスライドを送るための機器です。

【スーツケースの中】
 □太鼓 □タンバリン □着替え(Tシャツ3枚、パンツ3枚、靴下2足)
 ◎物販一式
  □〇さんご予約セット一式

  □Tシャツ 4枚
  □東方百合のスキマに挟まるオジサン
  □輝針残酷物語
  □20周年デモ1
  □20周年デモ2
  □現状報告
  □東方自家中毒
  □東方マカダミア104
  □東方腐蝕葬送曲
  □手コキババア紫ザ・リアル
  □手コキババア紫
  □ゴアコンピ

  □文具ケース(値札、サインペン、ボールペン)

  □おつりケース

蒸し暑い夏の夜中、玄関を開けた先で汗だくになりながら(我が家には、スーツケースを開いて床におけるスペースがありません…)何とか全てを詰め終えたのは朝の4時でした。

しかも上記のリストにはひとつ、細かいながら重要な忘れ物がありました。それはUSBタイプC⇔ステレオミニプラグ変換機で、これを持っていなかったために、飛行機の中で過去の練習動画のチェックができず、イメージトレーニングに支障をきたしました。だから本番がうまくいかなかった…というのはいささか考えすぎかもしれませんが、変換機は玄関を入った脇に置いてあったので、気付けばよかったなあ、という小さな後悔はありましたね。

羽田空港の、自動荷物預かり機。全く人が並んでいなかったのを見て、無人だから早く預けられるのかな、いつもこんな感じなのかな、と勝手に思ってしまいました。この勘違いが帰路で大変な判断ミスを生みます。

一応、それ以外の荷物は全て持っていくことができ、中には使わなかったものもありましたが、自宅に忘れて困った、というものは無かったので、忘れ物の多い自分としては良かったのかなと思いました。

それにしても、ライブと物販を遠征先で同時に行おうとすると、一人で携行できる荷物としては限界に近くなりますね…物販に関しては、直前まで梱包内容が決まらないことはないでしょうから、宅配便でホテルまで送ってしまうのもいいかもしれません。

なお、今回の会場で物販を行うことができたのは、主催者のそーげつせー様のご厚意によるものでした。ありがとうございました。ご利用いただいた皆様もありがとうございました。

そんな私の選曲はどうだったのか

まだDJの選曲とか、プレイの内容とか、そういう話を全くしないうちに、気が付けば3600字を超えてしまいました。

一旦ここで締めたいと思います。この調子で書いていくと、あと何回分の記事になるのかな…