アガイ研ブログ

Agai(堕武者+ultraviolence+)の個人ブログです。主に将棋、音楽、プロレス、レトロゲームについて書きます。将棋界では練習対局のために集まることを「〇〇研」と称することが多いことから、タイトルに名付けました。

ADHDが札幌へDJしに一人で旅行してみた【ズンドコ往路編~離陸まで】

おはようございます。すっかり早朝のブログ執筆が習慣になりつつあるAgaiです。

今回は、時系列でいうとこの記事↓の続きの話をしようと思います。

試練は天候から

札幌へ飛び立つ日である7月15日(金)は生憎の雨。しかも予報によれば私の住む千葉は警報級の大雨が降る可能性があるとのこと。大きなスーツケースにリュックを背負う、荷物の多い旅行者にとっては厳しい展開です。

救いだったのは、前日に職場との交渉で1時間の早上がりをゲットできたこと。その1時間で病院に寄って書類(旅行の件とは全然関係ない)を取ってこなければならない用事もあるので丸ごと1時間余裕があるわけではありませんが、自宅で一息ついて荷物を再確認できるのは大きなメリットです。

ところが職場を出た17時頃は大雨の真っただ中。しかも気温も高く、雨と汗で全身びしょびしょになりながら、這う這うの体で帰宅しました。

秒速でシャワーを浴び、パッキングした荷物を一旦開けてチェックリスト片手にもう一度確認、スーツケースにかける雨よけビニールが見当たらないのでクリーニング屋でもらった袋を無理やり被せて家を飛び出しました。

引き続きの大雨の中、一路リムジンバスの停留所へ向かいます。しかしここで落とし穴が。

 

想定外の事態と、人の優しさと

バス停に着いたのは、バスの発着時間の30分前。絶対に乗り遅れられないので、このくらい前に着いてやっと一安心というところです。待合室には誰もおらず、とりあえずベンチに座って一息つきます。

すると5分も経たないうちに「バスのお客さんですか?」と声を掛けられます。

声の主は、服装からするとバス会社のスタッフさん。はいそうです、と答えると、予想外の事実を告げられました。

「今日はバスはやめたほうがいいかもしれないよ」

出発が遅れるんですか? と聞き返すと

「出発は定刻通りにできるけど、到着がいつになるか分からないんですよ。何しろ今日は…」

スタッフ氏の話によれば、今の時点で、時間通りの到着を阻害する条件が揃いすぎているとのこと。大雨、夕方の帰宅時、翌日から三連休、5の倍数日(給料日だから?)などなど。高速道路が激混みなのは目に見えていると。

「何時の飛行機ですか?」と訊かれ、羽田発21:30です、と答えると

「それでも厳しいかもしれないね。道路情報をもう一度確認してきますよ」

と告げて、スタッフ氏はしばし事務所へ。そして戻ってきて

「ダメだね。川崎あたりで事故渋滞だって。こんな日は電車が一番いいですよ」

この時、エーッせっかくバス停まで来たのにこれから大荷物抱えて電車に乗るのーッ!

という気持ちが全くないわけではなかったですが、それよりも、機転を利かせて適切なアドバイスをしてくれるスタッフ氏の心遣いがとても嬉しかったですね。私の仕事にも接客的要素はあるので、こういう踏み込んだ提案ができるようになりたいと思いました。

大雨を前に、その辺にあったビニール袋に穴を開けて持ち手を通して被せたスーツケース。寸足らずでごめんな相棒。空港の手荷物レーンで異様な存在感を放っていました。

イベントで鍛えた、あたいの根性みさらせや

おじさんにお礼を言ってバス停を辞し、今度は駅を目指します。

何とか総武線快速に乗り換え、一路品川へ。帰宅ラッシュの時間帯なので苦戦を覚悟していましたが、意外と下り方面は空いているんですね。ラッキーでした。

とはいえスーツケースは重く(空港で量ったらギリギリ20キロ未満)リュックも重く(PCが入っているので濡らせられない)傘も嵩張り、スマホは常に凝視せざるを得ず(Googleマップが頼みの綱)という、移動には厳しい状況です。

しかし思い返すのです!(誰に言ってるんだ)ライブやイベントに参加するたびに、超絶大荷物を抱えて電車移動していた日々を……

2013年に堕武者に加入したBossさんが、ライブやイベントにおけるあまりの堕武者の荷物の多さに「普通、ここまで荷物があったら機材車使うんじゃないんですか?」と驚かれた日々を……

そう、わたくしAgaiには、かつて自動車学校を放逐された意地がある!実際は仮免も取れないうちに期限切れになっただけなんですけどね。この挫折もかなりADHDと関わるので、いずれ回を改めて話したいと思います。

そんなこんなで品川に着き、京急への乗り換えに無事成功。自分の中で何か、ADHD特有の思い違いをしていないか確認するために、移動の経路や方針は逐次Twitterに投稿していきます。特に私の場合、視覚から得た情報を脳内で勝手に変換してしまう性質があるので(ADHD特有の思い違い)一旦文章でアウトプットして人目に晒しつつ自分でも改めて読むというのは重要な行為です。即座にアドバイスをくださった皆さん、本当にありがとうございました。大変心強かったです。

また、それに並行して、LINEで妹に報告も随時していました。妹は仕事で何度も北海道を訪れており、私の10倍旅慣れています。飛行機の乗り方や札幌での移動の仕方で大いに頼りになりました。ありがとう妹。

実は、本当はあえて浜松町からモノレールに乗って

「しまった、空港快速に乗ってしまった!と思ったら今日はM3じゃなかった!ラッキー!」というギャグをやりたかったのですが(空港快速は、M3の会場である流通センターに停まらない。M3における定番ギャグのひとつ)そんなことをして飛行機を乗り過ごしたら一生後悔するので、こうして思い付きをブログに記すだけに留めました。

ちなみに、私はいままでM3でサークル参加と一般参加で1度ずつ空港快速に乗ってしまったことがあるのですが、終点の羽田空港第二ターミナルで失意のうちに降りると、私と同じようなテンションで呆然とホームに佇む同志が2回とも居ましたね。そうして僕らは強くなる!何の話だ。

空港での時間管理

乗り過ごすことだけは避けるため、電車の案内板を凝視し続けて降り立つことができた羽田空港。案内板の前で一息。

そんなこんなで全神経を集中させっぱなしにすること2時間余り、何とか羽田空港に到着しました。時刻は19:44で、これはリムジンバスより若干早い到着時間でした。良かったよかった。

とりあえず空腹を抱えていたので、チェックインや手荷物預けより先に、空港内で見つけた蕎麦屋に入りました。飛行機に確実に乗るという観点からすると、やや危うい行為ですが、空港内の飲食店はたいてい20時で閉まることと、この時間であればチェックインや手荷物預けは混雑しないことを考えると、実は最善手だったのかもしれません。勿論、初見でそこまで計算していた訳ではありませんが……

羽田空港蕎麦屋で食べた、天とじ蕎麦。海老は大きいが蕎麦の量は少なく、糖尿病治療中の私にはちょうどいい感じ。

もう一つの夕食候補だった空港で買う弁当、いわゆる「空弁」売場は20時で閉まっていた。またの機会に。

空港お作法右往左往

腹ごしらえをしたらいよいよ搭乗手続開始です。

クリアファイルに入れて後生大事に持ち運んだQRコード付きeチケットを片手に、まずは自動チェックイン機に挑みます。

自動チェックイン機が並んでいるところ。人の気配はなく、この時間帯の空港はすいていることを初めて知る。

これは特に何事もなく終わったのですが、次の自動手荷物預け機は、どこから入ってよいかわからず、ロープで区切られたエリアの外をウロウロ。しばらくして、この預け機群は使用中止であり、別の区域に行かなければならないことに気付きました。こういう判断もADHDは苦手ですが、何とか自力で辿り着いてよかった。

手前に立ちはだかる立ち入り禁止のベルト。使えないなら看板の灯りは落としておいて欲しいですよネ。

この荷物自動預け機、荷物の置き方にコツがあったり(最長の面を奥に置く)良く分からないエラーが出てやり直しになったりと若干人を不安にさせますが、結果的には預かり伝票が無事排出されて一安心。続いて傘をどうしようかと思い、係員の方に聞いたところ、有人の預けカウンターで預けられるが、どうしてもコンベアでの取り違えが多くなるので、機内に持ち込むことをお勧めしますとのこと。納得。続けて保安検査場に向かいます。

なお、この時、チェックインも荷物預けも全く並ばないで行えたことから、私の中に(どちらもあまり時間はかからないのだな)という先入観が生まれ、帰りの空港では大いに焦ることになります。

俺を保安してくれ

さて、この保安検査場が、不慣れな人間からすると、やや不親切だなあと思いました。

ゲートをくぐると大量のスリッパが置いてあるので履き替えなければならないのかと思いきや、それはブーツ等に金属が付いている人向けのものだし(使用率が低いなら目立たないところに置いた方がよいのでは)レーンに着いてから何をするのか咄嗟にはわからないし(トレーを下の棚から取ってください、とは書いてあるが、荷物をどのくらい載せてくださいとは書いていない)金属検知ゲートを通る前に財布や携帯はトレーに入れるのか持ったままでいいのかすぐには分からないし。

手荷物自動預け機に並ぶレーンでは、QRコードを読むことで使用方法の説明動画が見られるのですが、保安検査場でも同様の仕組みが欲しいですね。

とはいえ、特に検査員の方々にドヤされたり焦らされたりすることもなく、結果としては無事に通過することができました。

あとは搭乗ゲートに向かうだけ。時刻は出発時間の50分前ということで、だいぶ余裕をもって行動することが出来ました。

なお、この時、Twitterでsggさんからいただいた「AirDOは保安検査場から搭乗ゲートまでが長いので早めに行った方がいいですよ」というアドバイスは、私の心に大いなる平穏をもたらしました。こういう、実際に行ってみないと分からないことを事前に教えていただけるのは、予想外のことが起きるとすぐに不安になるADHD気質にはありがたいですね。

悪天候で飛行機の到着が遅れ、21:30発の予定が21:50付近までずれ込みましたが、こちらは待つだけなので気楽なもの。新千歳空港から予約している乗り合いタクシーは、飛行機が到着してから更に1時間後に来る予定のため(その時間しか予約できなかった)むしろ遅れてくれた方が時間が潰しやすいくらいのものです。あくまで私にとってはですが。

空港到着から約2時間、いよいよ搭乗

そんなこんなで、最終的には無事航空機の中に潜入。「オペレーション・サンダーボルト」の最終ステージや「エリア88(アーケード版)」のボーナスステージを思い出しつつ(縁起でもない)無事に予約席「6C」に到着しました。座席はABCの並びでAが窓側、Cが通路側です。機内は基本的に狭いので、私のように閉所が得意でない人は通路のぶん空間があって安心できますね。

傘は床に置いてたら添乗員さんから荷物棚に入れるよう指示があり、従いましたが、棚の奥に転がっていった傘は後で取り出しにくく、飛行機に乗るときは、たとえ豪雨の中では頼りなくとも折り畳み傘のほうが便利だなという知見を得ました。

基本的に怖がりなので、いつ離陸するのか(鉄の塊が空を飛ぶのか!)ビクビクしていましたが、飛行機が猛スピードで走りだし、ガクンと大きく跳ねたかと思うと急上昇しているのが客席からも感じ取れます。慌てて耳抜きをして気圧差に備えました。

機内サービスで、1回だけ飲料が振舞われます。紙コップに描かれたAirDOマスコットキャラクターが可愛い。

そして航空機内での誤算は、せっかくスマホでDJ練習動画を見返してイメージトレーニングをしようと思い、イヤホンまで持参したのに、ステレオミニプラグとUSB-TypeCの変換器を忘れて(以前のブログ参照)動画を視聴できなかったことですね。

荷造りの初期段階ではスーツケースの中に入っていたのに(昨年の冬コミの試聴用に用意したものが入りっぱなしだった)「これ何だっけ?いらないよな」と出してしまったのが悔やまれます。

これは言っても仕方がないですが、ここでしっかりイメトレできていたら、あるいはもう少し当日のドタバタは防げたかもしれないなあ、と……。

小さな後悔を背負いつつ、飛行機は豪雨の闇を進んでいきました。

90分ちょっとのフライトですが、トイレは近いほうなので、往復とも搭乗前には必ず行くようにしていました。その甲斐あって、何とか座りっぱなしでも大丈夫でしたね。2017年にアメリカへ行った時は10時間半のフライトだったので四苦八苦して時間を潰しましたが、90分ならウトウトしつつ、時折考え事をしたり、DJ中に喋る内容をメモに起こして確認したりしているうちに、あっという間に着陸となりました。

次回は札幌到着~イベント当日編を予定しています。いつになったら個々の楽曲について語るフェーズになるのか!気長にお待ちいただければ幸いです。