アガイ研ブログ

Agai(堕武者+ultraviolence+)の個人ブログです。主に将棋、音楽、プロレス、レトロゲームについて書きます。将棋界では練習対局のために集まることを「〇〇研」と称することが多いことから、タイトルに名付けました。

認知行動療法と私

音楽や将棋、プロレスの話でなくて恐縮ですが…

私は、2022年から、本格的に「認知行動療法」に取り組んでおります。

認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy)はCBTとも呼ばれ、ストレスなどで固まって狭くなってしまった考えや行動を、ご自身の力で柔らかくときほぐし、自由に考えたり行動したりするのをお手伝いする心理療法です。

そもそも認知行動療法(CBT)ってなに? | NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター から抜粋。

われわれがストレスに対して起こす反応は、「認知」「感情」「行動」「身体」の4つに分けられます。ここから、比較的自分の意思でコントロールしやすい「認知」と「行動」を見直すことで、ストレスの原因をうまくやり過ごしていこうとうするのが「認知行動療法」です。

個人的な解釈としては、強いストレスを感じた時に、ストレスの原因となっている出来事そのものを除去するのではなく、考え方や感じ方を変えることで、うまくやり過ごしていくところに特徴があると思います。ストレスの原因そのものを変えるためには、他人や組織、社会など、個人の力ではどうにもならない相手を変えなければならないことも多いですが、認知と行動は自分だけの意思で変えられる(ことが多い)ので、うまくいく確率が高いというわけです。

この辺の仕組みについて正確なところを調べられたい場合は、厚生労働省のページをご覧ください(かなりのボリュームですが…)

ところで、「認知」については、合理的な理由がないのに、先入観で物事をネガティブに捉えてしまう「自動思考」が強敵です。

私が参考にしているテキストでは、自動思考は次のように分類されるとのことです。1.根拠の無い決め付け(恣意的推論)

2.白黒思考(全か無か思考・完全主義)

3.部分的焦点付け(選択的注目・物事の一部しか見ないでの短絡的結論付け)

4.過大評価・過小評価(拡大解釈と過小評価)

5.べき思考(完璧主義により自分や他人を縛る)

6.極端な一般化(過度の一般化)

7.自己関連付け(個人化、自分に関係ない出来事でも自分のせいだと考える)

8.情緒的な理由付け(感情を事実認定の根拠にする)

9.自分で実現してしまう予言(根拠のない思い込みを続けることで現実になってしまう)

ネガティブな感情に陥ったら、その感情を抱くに至った認知について、上記のような自動思考にとらわれていないか見直すことが、認知行動療法の第一歩です。

最近、1割仕事・6割勉強・3割趣味くらいの割合で、wikipediaに掲載されている殺人事件の記事を読むことが多いのですが、加害者が犯行を決意する理由として、金品を得ることを別とすれば、虚栄や怨恨が多いことに気付きました。

・自分は本来こんな境遇に甘んじる人間ではない。

・今の境遇にいる自分は駄目な人間で、生きる価値がない。

・自分がこんな境遇なのはあいつのせいだ。あいつを殺せば全てうまくいく。

・あいつは自分にあんな態度をとった。自分への敵意があり許しておけない。

・これを出来ないと、周囲からナメられてしまう。

そしてこれらの考え方は、先に挙げた自動思考の1~9に良く当てはまると思いました。自分が過去、思考のバランスを失ったときの感情を省みても、いま列挙したような考え方に陥っていた自覚があります。

 

では具体的に、認知行動療法に取り組むためには、どのようなトレーニングが必要なのでしょうか。

私が、ここ3年ほど実践しているのが、「7コラム(セブンコラム)」です。

以下「こころが軽くなる認知療法活用サイト」からの引用です。

私たちは悩んでいるとき、「自分はダメだ」「誰にもわかってもらえない」「どうせ何をやってもムダだ」と決めつけて自分を追いつめています。そうしたときには、思い込みに縛られないで現実に目を向け、自分にとって大切なものを見落としていないか考えてみましょう。

そのときに役に立つのがコラム法です。「コラム」とは考えを振り返る記録表のことで、なかでも「7つのコラム」はよく使われていて、次の7つから構成されています。

(1)状況:気持ちが動揺したときの一場面
(2)気分:そのときの気持ち
(3)自動思考
(4)根拠:自動思考を裏付ける具体的な事実
(5)反証:自動思考と反対の事実
(6)適応的思考:バランスのよい考え
(7)いまの気分

私が使っているテキストには、以下のような補足があります。

(1)状況…具体的に。長い期間ではなく、ある出来事がおきた瞬間を切り取るように

(2)気分…後悔90%、失望80% のように、パーセンテージとセット書くことで、(7)いまの気分と対比できる。

(4)(5)は、いずれも事実に基づく形で書く。

なお、基本的に上記(1)~(7)は認知と感情に関する内容ですが、個人的には、行動や身体に関する言及があっても良いと思います。「不安で心拍数が上がった」「怒りのあまり机を叩いた」など。

いずれにせよ、自分の頭や心を支配している考え方や気持ちを文章に書き出すことで、一旦頭の中から退避させることができ、その分、前向きな思考に脳のリソースを注ぎ込むことができるという効果はありそうです。

また、私が学んだカウンセラーによれば、7コラム法は思考や感情を見える化することができる反面、現実の辛さ・問題解決の難しさを再認識させてしまう場合もあるので、作成中に辛く感じたら、速やかに中止した方が良いようです。

その後は、体を動かしたり、マインドフルネスの瞑想をしたりと、別のアプローチで心の安定を目指すべきとのことでした。

そんな感じで、まだまだ勉強中の身ではありますが、心身の平衡を保ち、パフォーマンスを向上させるために、認知行動療法の実践を続けていこうと考えております。